「奈良絵本」のなかに蓮

奈良絵本とは、挿絵入りで書写された御伽草子である。御伽草子とは、縦16cm,横約22cmほどの横本(よこほん)の体裁をなし,室町時代から江戸時代前期に流行した短編の物語集である。現在のところ、約400編の作品が現存している。作者はほとんど不明である。それらの中には、「浦島太郎」や「一寸法師」等、今日まで読み継がれている作品もある。

絵本は、その初期において識字率の低い大衆に内容を理解させるという性質も強かったと考えられる。こと宗教の布教において説話や抽象的概念を絵図で示すことは世界各地にその類型がみられ、神話や伝説なども絵図入りの書物の形で示されたものも数多い。日本における絵本は、平安時代の絵巻物を起源とし、室町時代の奈良絵本、江戸時代の草双紙と歴史をたどることができる。本図は江戸時代初期に描かれた奈良絵本の断簡。

D-1 万葉集

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