「蓮は平和の象徴なり」  大賀一郎著

私の一生はハスの実のはじまり、その花や葉レンコンやハスイトから、マンダラ(曼荼羅)への道であった。

私は蓮の花を愛する。ハスは古来、夏の花の太宗である。花ばかりではない。葉の上に玉ところがる露の風情もまたひとしおであるが、ただそればかりではない。天地創造が水にはじまったという説からでもあるまいが、水に生じるこのハスに自ら清く高いあこがれをささげたのは早く文化の起こったインド、ペルシャ、エジプトあたりの人ではなかったろうか。太陽神ビシュヌの腹からハスがはえ、その中に梵天が生まれたということから蓮花座が起こったり、大蓮華蔵世界の話が出て、ハスは仏教信者の間に理想郷のシンボルになり、インドといえばハス、ハスといえば仏教というようになった。

中国にでも仏教渡来以前からハスが愛され、『詩経』や『爾雅』『説文』などにもくわしくハスのことが書かれている。唐代になると、ハスの花の盛時である6月24日を卜(ぼく)として観蓮会がはじまり、文人墨客を集めて今日にいたっている。宋代では、有名な周茂叔の「愛蓮説」なる119文字の名分が残されている。(以下略、興味ある方は、下記の書籍に掲載されています)

大賀一郎(1883~1965)植物学者。「ハスは平和の象徴なり」初出、『浅草寺』(1964年)。『ハスと共に六十年』(1965年 アポロン社)、『蓮は平和の象徴也』(1967年 大賀一郎博士追悼文集刊行会)、『蓮の文華史』(1944年 かど創房) などに収載。

本 蓮は平和

 

 

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