「蔭涼軒日録」(いんりょうけんにちろく)

「蔭涼軒日録」(いんりょうけんにちろく)

本書は、京都市上京区にある臨済宗相国寺派大本山、相国寺塔頭(たつちゆう)鹿苑院(ろくおんいん 金閣寺)の蔭涼軒主歴代の日記。全体の執筆期間は 1435~93 年に及ぶ。このうち、1458~66 年までは、季瓊真蘂(1401~1469 きけいしんずい)、後半の1484~93 年分は、亀泉集証(1424~1493 きせんしゆうしよう)を記録している。室町時代の重要史料の一つ。金閣寺の僧侶である季瓊真蘂と亀泉集証の記録である。五山内部の状況のほかに、室町幕府の動静についても詳記されているが、将軍の宗教行事関する記事、幕府機構、仏教・政治・文芸などにわたり、史料的価値が高い。

同書での蓮の初は、1440年であるが、それから1493年まで蓮の記述は45件ほど出てくる。長禄4年8月7日(1460年)の項に「千葉(妙蓮)の蓮華、江州(滋賀県)より之を献ず。其葉華重畳。寄と為すと雖も実を結ば不るの由仰せらる也。又曰く、此蓮は種子無しと仰せられる也。種子有らば則ち世界に充満す可き也。種子無く則ち又稀有と為す、供に笑話す」とある。滋賀県守山市の田中家から、たびたび妙蓮の生花や、蓮根が献上されているので、それが話題になっている。また、西芳寺(苔寺)や南御所でも蓮が咲いていることがきされています。

原本は関東大震災で焼失。活字版は『大日本仏教全書』、『続史料大成』(蔭涼軒日録1 臨川書店) 『蔭凉軒日録』 (1953年) 史籍刊行会 がある。

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