中国年画・蓮年有余

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

蓮年有余絵葉書S

「蓮年有餘」というタイトルの中国版画です。
蓮は多子の象徴とともに「連なる」と発音が同じなので幸せが続くことを、子供はそのまま子宝を、魚は余裕の余と発音が同じなので余裕があることを表しています。
すなわち余裕と富裕が年々続いていくという意味を表すので、お正月のお祝いのプレゼントに使われます。

中国の版画の歴史は長いのですが、日本人にはちょっとなじみにくい大人びた顔の子どもは、楊柳青という年画工房の特徴です。
楊柳青は、河北省の天津西方15kmにある、100人以上の版画家を擁(よう)する年画工房で、明代の万暦年間(1573~1619年)から年画製作を始め、300年余の歴史があります。楊柳青年画は、子孫繁栄にちなんだ「蓮笙貴子」や「年年有魚」などの伝統的な図柄と、京劇や話劇(現代劇)などにちなむ戯曲の一幕を題材にしたものが多く、魔除けや吉祥を表す伝統的図柄に特徴があります。

社会主義以後、こうした伝統的な題材は好まれなくなっているようですが、庶民の間では今でも「蓮年有餘」の願いはつづいています。

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