「そうとうれん」と読みます。町田市大賀藕絲館の約1万ヘクタールの蓮田で一本だけ咲いていました。「双頭蓮」という品種ではなく、突然変異による一種の奇形腫で、通常の蓮が一本の茎の先端に背中合わせに咲いたものです。
この双頭蓮の種蓮根を植えても同じ花は咲きませんし、実生で育てても咲きません。中国では吉祥の蓮として大変珍重され、喜ばれます。7月27日の双頭蓮1日目です。
蓮文化研究家・三浦功大(故)の著書『蓮への招待』には双頭蓮の記述項目が6カ所あり、上記に中国では吉祥の花として喜ばれている、と書きましたが、日本でも仏教伝来以前の出来事を記述した『日本書記』巻二三、二四には、双頭蓮の記述が残っている、とあります。以下、同著からの一部引用です。
皇明帝七年(535)秋七月。是の月に瑞蓮、剣池に生いたり、一茎に二花の花あり。
皇極天皇三年六月(644)剣ノ池の中に、一つの茎に二つの蕚ある者あり、富浦大臣、妄に推していわく、「これ蘇我臣の栄むとする瑞(みつ)なり」といふ、即ち金の墨を以て書きて、大法興寺の丈六の仏に献る。