月別アーカイブ: 2013年3月

『世界の花蓮図鑑』刊行記念写真展のお知らせ

『世界の花蓮図鑑』(三浦功大・池上正治 共著 勉誠出版)
刊行記念写真展が開催されます。

エトワール画廊 東京都中央区京橋2-6-13 TEL03-3561-2041
2013年4月15日(月)―28日(日) 
*21日(日)は休み 11:00―18:00

三浦・池上両氏による花蓮の魅力についての対談も行われます。
4月27日(土)13:00~ 京橋区民会館

『世界の花蓮図鑑』エトワール画廊案内

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蓮の花の各部 5 、「花托から果托へ、そして蓮の実へ」

蓮の花は開花から4日目に花弁が散り、花托になりますが、黄色系統のものは、雄しべが残るものがあります。散ったあとの花托は緑で、直径が5センチほどですが、受粉した雌しべは緑色からしだいに熟して茶褐色に変わり、20日ほどで受粉した雌しべは茶褐色の「蓮の実」になります。「花托」は「果托」に書き改めています。「果托」の直径も10センチから15センチのどに大きくなります。花弁が散って2週間ほど過ぎると果托の中の蓮の実は、緑色に熟成します。緑色の皮を剥いて食するととても美味です。食材として使用される蓮の実はほとんどこの時期に採取したものです。また、蓮の実を粉にしたものが大量に販売されています。蓮の実の中には、すでに「幼芽」(蓮子心)が出来ています。蓮子心は乾燥させて生薬やお茶として利用されています。

蓮の実を実生から発芽させる方法は改めて投稿します。図は「果托」(左)と「実の断面」(実の中にはすでに幼芽)が宿っている。

花托

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 蓮  美への行動と日本文化    西山松之助

蓮華蔵世界

蓮の花を測定して、全国くまなく歩きまわったこともないので、この花が最大の花だときめることは当を得ていないであろう。もちろん私の推定なのである。推定なのだが、たぶん誰でもそうだろうと賛成してしてくれるのではないかと思う。その推定最大の花は、奈良の大仏が鎮座している、あの大きな青銅製の蓮華である。あの蓮の花は巨大である。

国体とかオリンピックのマスゲームなどで、もっと大きな花が瞬間的に表現されたことなどもあったかもしれないが、わたしは特別に許されて大仏の台座の蓮弁のところまで上げていただいたことがある。いちばん外側の蓮弁は下向きに開き、内側の蓮弁が迎蓮弁といわれる上向きのもので、この迎蓮弁の一つ一つが、私たちの背よりもはるかに高く、とてつもなく大きいものであった。

外側の下向きに開いている花弁によじ上って、でかいもんだなと思いながらその上に立ってみると迎蓮弁が立ちふさがってあまりの巨大さに、これが蓮華の花弁かと異様な感じになる。しかも、源平の争乱と戦国の乱に遭って二度も本尊大仏は焼け落ちたのに、天平のおもかげをそのまま伝えている蓮の花の部分は、草創期以来千余年間、多くの人の信仰が集まっただけに、今は、一種独特の黒光りに輝いている。よく見ると、その黒光りの表面には、きわめて繊細緻密な天平の線描がいちめんに彫りこまれている。どういう技術で、このような金属面にかくも流麗に、生き生きとよどみない線描が彫りこめたものか、ただ感嘆のほかはない。私はこの線描の絵を見ていて、そのときふっと子供のころ涼台で毎晩ながめた天の河を思いだした。(以下省略)、『花 美への行動と日本文化』(1969年 日本放送出版会 p57~71)より抜粋。西山松之助(1912~2013年)

西山花

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蓮の花の各部 4、「雌しべ」(花托)

蓮の花が開くと、花のまん中に、倒円形の花托が現れます。花托の中に黄色で丸い柱頭が現れています。それが「雌しべ」です。蓮の花は雄しべが短いので雌しべに届かないので、自家受粉ができません。昆虫が運んでくる花粉が柱頭に接すると受粉がおこなわれます。受粉がおこなわれると、黄色の色だった雌しべ(柱頭)は、受粉すると黒く変化します。蓮の花は開花して4日目に散りますが、開花2日目か、開花3日目かを見分ける目安になります。八重種の中には、雌しべが花弁化して花托の雌しべが花弁になって出てくる品種もあります。図版左・花宅の断面、図版右・雌しべの断面、受粉した雌しべ(左)と受粉しなかった雌しべ(右)、図版下は花弁化した雌しべ。

花托1

壁bb化した雌しべ

 

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中国の錦織り

ずっしりと重い錦に織りだされた蓮紋様。
様々な蓮の花が幾何学的に組み合わされていて、ひとつひとつを眺めていると、実にたのしい。
北魏から現代までの蓮だけの紋様が集められている『中国蓮紋図譜』という本がある。
この中に、北魏の石刻に見られるものにとてもよく似た文様があり、古い時代から続いている文様だと分かる。(クリックすると拡大されます)

中国錦織り

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ジム・トンプソンの蓮

タイのシルク王、ジム・トンプソンの蓮柄のスカーフ。 サイズ90×90㎝

大きく大胆に7輪の蓮が描かれています。風に吹かれ、そよぐような優しい蓮です。
松本清張の小説『熱い絹』のモデルにもなったジム・トンプソン。
生前、蓮の花を眺めながら、何を想っていたのでしょうか?
このスカーフを手にとると、彼のミステリアスな人生を想像してしまいます。

ジムトンプソンスカーフ1

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蓮の花の各部 3、「雄しべ」

蓮の花が開き始めると中からは花托が出てきます。その花托の周りには、長さ3~4センチほどの雄しべが、200~300本ほどが花托の下部に付いています。雌しべの先端は白色の葯隔突起を持ち、その下に黄色い花粉が付着しています。蓮の花の馥郁としたフェノール系の清々しい香は、雄しべから発散されます。蓮の花の雄しべは短いので、ほとんど雌しべには届かないので自家受粉が出来ません。受粉は蜂などの昆虫の力を借りないと出来ません。

八重の品種の中には、雄しべが花弁化したものがあります。図版は、花托とその周りに付着している雄しべ。

雄しべ

 

 

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芙蕖(はなはちす)幸田露伴

芙蕖(はなはちす)は花の中の王ともいふべくや。おのずから具はれる位高く、徳秀でたり。芬陀も好し。波頭摩も好し。香は遠くわたれど、巖柱、瑞香、薔薇などのように、さし逼りたるごときおもむき無く、色はすぐれて麗はしけれど、海棠、牡丹、芍薬などのやうに媚めき立てるかたにあらず。人の見るを許して人の狎(な)るゝを許さざる風情、またたぐい無く尊し。暁の星の光りの薄るゝ頃、靄霧たちこむる中に、開く音する、それと姿を見ざる内よりはや人をしてあこがれしむ。雲の峰たちまち崩れて風ざはざはと高き樹に騒ぎ、空黒くなるやがて夕立雨の一トしきり降り来るに、早くも花を閉じたる賢さ。大智の人の機に先だちて身をとりおき、變に臨みて悠々たるにも似たり。散り際も莟の時も好く、散りてののち一トひら二タひら漣漪(さざなみ)に身をまかせて動くとも動かざるとも無く水に浮かべるもおもしろし。花ばかりかは、葉の浮きたる、巻きたる、開き張りたる、破れ裂けたる、枯(から)び果てたる、皆良し。茄(くき)の緑なせる時、赭く黒める時、いづれ好からぬは無く、蜂の巣なせるものも見ておもむき無からず。此花のすずしげに咲き出でたるに長く打對ひ居れば、我が花を観る心地はせで、我が花に観らるゝ心地し、かへりみてさまざまの汚れを帯びたる、我が身甲斐無く口惜きをおぼゆ。この花をめずるに堪ふべき人、そも人の世にいくたりかあらん。『露伴全集 第29巻』昭和54年第3刷 岩波書店)より

 

 

 

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「釘隠し」くぎかくし

長押(なげし)などに打った釘の頭を隠すための金属や木製の飾り。

釘隠しとは、伝統的な寺社建築やお城、書院造りの長押(なげし)の釘の頭を隠す飾り金具をいう。長押(なげし)の表面から柱に釘を打った場合に、表面に出る釘の頭を隠すために、釘の上にかぶせる装飾品です。材質は、鉄、銅、木、陶器などが用いられ、六葉(ろくよう)形のもの、兎形のもの、富士形のものなど多数の形状のものがあります。釘隠しは、江戸時代に多用されていました。釘隠しは、「釘覆い」、「釘隠し金具」とも呼ばれています。

蓮文様の釘隠しは非常に珍しいです。現在では、福井県南越前町の「花蓮公園」内にある、「爪生の館」の室内で見ることができます。(『行田蓮』p37「釘かくし」参照)、図版の制作年代不詳、75ミリ×60ミリ。

釘隠し

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蓮の花の各部 2、「花弁」

花蓮は、萼、花弁、雄しべ、花托(柱頭・雌しべ)からなります。萼は花が開花する時に落下します。(黄蓮系統の花には、花弁が落下しても落ちないものがあります) 雄しべ、花托については後述。

蓮の美しさは花弁の色である。花弁の色は、白色、濃紅、淡紅、黄色、爪紅、黄紅、斑に分類されている。それぞれに美しい。紅系統の花弁には、条線が入るものと、入らないものがある。また、黄系統の花弁にも濃黄、淡黄系統の花弁がある。花弁の形には、丸形、細形、楕円形、八重の品種の雄しべが、花弁化した変形弁などがある。雌しべが花弁化したものもある。

蓮の花は、花弁の数が25枚くらいまでを一重、26枚~50枚位を半八重、それ以上を八重と呼んでいる。花托が無く花弁だけの花である妙蓮の花弁は3000枚~5000枚にもなる。図版は花弁の数。一重(左)、八重(中)、妙蓮(右)、『行田蓮』(2009年 アトリエ・ミウラ)より。

DSCN8573

 

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