日別アーカイブ: 2013年4月15日

蓮の話 双頭蓮と蓮の曼荼羅   牧野富太郎(植物学者 1862~1957)

諸君は、諸処の池において「蓮」を見ましょう。その清浄にして特異なる傘状の大きな葉とその紅色もしくは白色の顕著なる花とは、一度これを見た人のけして忘るることのできぬほ立派なものであります。またその蓮根と呼ぶものを諸君は食事の時にときどき食するでしょう。その孔の通った奇異なる形状はこれまた諸氏の常に記憶するところのものでありましょう。

通常蓮根と呼んで食用に供する部分は、世人はこれを根だと思っておりますが、これは決して根ではありません、それならばこれがなんであるかと言えば、これは元来蓮の茎の先の方の肥大した一部分であります。この茎はすなわち蓮の本幹と枝とであってあたかもキュウリやナスビなどの幹と枝とに同じものです。このキュウリやナスビなどはその幹枝が空気中にありて上に向かい立っておりますが、蓮では幹枝が水底の泥中にあって横に匍匐(はふく)しているのです。ことごとく泥中や地中にある幹枝を学問上では根茎ともいえば地下茎とも言います。それゆえ通常常世人が称する蓮根なるものは学問上より言えば地下茎、一名根茎と言わねばなりません。また、蓮根を雅に言えば蓮藕また単に藕とも称えます。(以下略 続きに興味ある方は植物記を参照ください)『植物記』(桜井書店 1943年)、ちくま学芸文庫『植物記』。

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印籠

江戸時代に旅をするとき、薬入れ、煙草入れや小物入れを、腰の帯にぶら下げる入れ物。このように、腰に下げる小さな容器 を「印籠」とよんでいますが 印籠に蓮文様が添えられるのは非常に珍しいです。図版の本体は、竹を精巧に編んだものに、象牙を彫った蓮の葉の留め金が付いています。とんぼ玉と根付は残念ですが、蓮ではありません

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実生から花蓮をそだてるには

花蓮を咲かせるのには、次の2つの方法があります。一つは種蓮根から咲かせる方法、もう一つは蓮の実から咲かせる方法があります。ここでは実生(蓮の実から育てる方法)から育てる方法を記します。花蓮を育てている方はもうほとんど植え替えが終わったと思いますが、これから実生から育てても条件がうまくいけば夏の終わりころには花が咲きます。

実生からの方法を簡単に記します。蓮の実は外側の皮が非常に硬いのでそのまま植えても芽は出てきません。まず蓮の実の横をニッパーかヤスリで実の中の白い小葉が見えるまで削ります。(実は小さくて硬いのでニッパーを使うときは注意してください)。削りおわったら、小さな透明な瓶に水を入れてその中に実を入れて、日当たりのよい場所に置いて下さい。水は毎日替えましょう。瓶にいれて、4~5日経過すると実から小さい葉が出てきます。実からは最終的には4枚の葉が出てきますが、2枚か3枚出てきたら、鉢に植えましょう。鉢には、荒木田と黒土を混ぜたものに肥料を入れて準備しましょう。葉が出てきた実を鉢に植えるのですが実が隠れる位に植えてください。鉢の水は実から出てきた葉が水に隠れないように調節しましょう。鉢の置く場所は、日当たりのよい場所に置いてください。蓮の育成は、日当たりのよい場所が一番です。水は時々取り替えましょう。

長くなりますので今回はここまで、5月中頃、続きを掲載します。

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大和錦(やまとにしき)

紅、一重、碗蓮・茶碗蓮。定信の『池のにしき』には、7月2日、「大如図、如此小蓮満開せずして落下す、ゆえに中開くを真写す」とあり、『本草図譜』には、「白川公の蓮譜の図茶碗蓮の類にして花小く淡紅色実も小にして房中に4、5類を結へり」とある。大和錦は残念であるが今日伝わっていません。

碗蓮について、伊藤伊兵衛(1669~1757?)は、日本最初の園芸書である、『花壇地錦抄』(元禄8年 1695年)で、「小蓮花 小りん 葉ハ水あふいのごとくあいらしき花葉なり」と記していて、江戸時代の初期に碗蓮がすでに育成されていたことが確認されている。しかし、日本古来のものか、渡来のものか、詳細は全く不明である。蓮愛好家の間では、碗蓮、茶碗蓮の人気が高く、中国での品種開発は盛んで、約200品種ほど作出されています。中国の大都市には、花蓮公園があり碗蓮コーナーがあります。なお、今日の品種分類では、碗蓮と茶碗蓮(小型種)を区別しています。碗蓮は花の直径が10センチ以下、花茎の高さ30センチ以下です。花径が10~15センチ位のものを茶碗蓮(小型種)と呼んでいます。

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