日別アーカイブ: 2013年6月8日

初見の蓮図の浮世絵です

日野原健司・平野恵 著『見て楽しむ園芸文化  浮世絵でめぐる江戸花』(誠文堂新光社)が発行されました。同書は、第一章「暮らしと園芸」、第二章「歌舞伎と花」、第三章「名所と園芸」からなり、美しい色刷りの浮世絵が、原則一ページに一枚、162図が205ページにレイアウトされています。図の下には詳しい解説が付けられています。この中の第二章「歌舞伎と花」の中にはいろんな園芸品種が紹介されていますが「蓮図」が1点有りましたので紹介します。それは、豊原国周/三十六花草の内 蓮花 於七 河原崎国太郎 早稲田大学演劇博物館蔵 です。

解説には、初代河原崎国太郎が八百屋お七に扮している場面です。八百屋お七とは、17世紀末頃、恋人に会いたい一心で放火事件を起こして火あぶりの刑となった少女のことで、戯作や歌舞伎、人形浄瑠璃、講談などさまざまな形でこの逸話は取り上げられました。以下は図版の4行目に続きますので参照ください。

植物解説の220ページの解説には、ハナバス [花蓮]Nelumbo nucifera とあります。蓮文化研究会でも、蓮学会でも「ハナバス」ではなく「ハナハス」と「バ」が濁らない方を普及させてきました。つづいて、「ハスの原産地は中国大陸・インドとされる。花期は7~8月。食用や薬用として有用な植物であったことから、日本にはウメやモモと同じく紀元前2000年頃に渡来人によりもたらされ、広く栽培されるようになった。(以下略)とありますが、これは先人の誤った孫引きです。蓮の原産地は、中国大陸でもインドでも有りません「原産地不明」が正しいです。また、「蓮は紀元前2000年頃に渡来人によってもたらされた」、とありますが、これも何の証拠もありません。先人が勝手に推測して書いているだけです。

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