日別アーカイブ: 2014年7月25日

「町田市大賀藕絲館の蓮まつり」は明日26日27日です!

障がい者の働く場として町田市小山田にある「大賀藕絲館の蓮まつり」が開催されます。
作業所と工房、販売の館では、蓮を使った様々な製品販売とワークショップもあります。
作業に使われる蓮は館から少しはなれた広い田んぼで栽培されています。
藕絲館館長・梅原さんと私は田んぼで蓮の花の販売担当です。
蓮の花は切りたてを3本千円で、葉、果托も販売致します。
梅原さんは田んぼに入り、鎌で早朝から切り取り、私は一本一本専用のポンプを使って水揚げをしてお客様にお渡しします。

大賀藕絲館夏祭り館長と

これは2012年の蓮まつりの写真で、せっせと水揚げをしているところ。
後ろは梅原館長。
蓮の水揚げは水鉄砲のような専用のポンプを使い、花にも葉にも隅々まで勢いよく水を送り込みます。

水揚げ用ポンプ
茎の切り口を直角に切り戻し、この中にしっかり差し込み筒の中の水を入れます。
開いた大きな葉は水揚げをしないと30分くらいで萎れてしまいます。蓮は自らは水を吸い上げないので、葉の周りから茎をとおって水が流れ出てしまうからです。強制的にこのような道具をつかいます。
お花屋さんのように大量に水揚げをするところでは水圧を高くしたホースの切り口にを切り口に当ててシューッと水を送り込みます。

水揚げ用ポンプ口

明日も暑そうですが、蓮なので苦になりません。

大賀藕絲館からのお知らせ。

machida-happy.com/event/con03_130703.html

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「象鼻杯」の不思議

蓮の葉の茎を切り取ると樹液のような白い汁がでてきます。樹液の中には甘いものもありますが、花柄、葉柄から出るこの汁はとても苦く、蓮心の苦みと共通する苦さです。

象鼻杯 葉柄から出る樹液

オーストラリアの原住民はこの知るを腹痛や解熱の薬にしているそうですが、細菌、真菌(カビ)繁殖を防ぐ成分が含まれています。茎をとおしてお酒を飲む象鼻杯は、お酒の味が清涼感のあるものになる、と言われる由縁はこの樹液にあるのかもしれません。

荷鼻2

蓮の葉の中心、荷鼻です。葉と茎の連結部分で、二酸化炭素を取り込んで酸素を放出するガス交換のいわば関所のような役目をしています。

荷鼻に穴をあける
金属製の簪は固い荷鼻の穴あけに、とても開けやすかったです。2か所だと吸いこみにくいので3カ所が丁度良いようです。

象鼻杯 酒を注ぐ

象鼻杯 注がれた酒
今年は「象鼻杯」「荷葉杯」で暑気払いを是非なさってください。

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「象鼻杯」は優雅にたのしみましょう。

「象鼻杯」には他にもいくつか呼び名があります。
「碧筩杯」(へきとうはい)。「荷葉杯」(かようはい)荷は中国語で蓮のこと。「碧芳酒」「蓮華杯」「解語杯」など。

用意するもの。
①直径が40~50㎝の緑が濃く、しっかりとした葉を選び、茎は60㎝位の長さに切ります。葉を支える腕の長さより長くしないこと。
②清酒(飲めない人は水)。お茶、ジュースなど色のついたものは葉の上でコロコロと転がる玉の露の雰囲気がたのしめず、優雅さに欠けます。
③お酒または水をいれる注器。
④蓮の葉と茎の連結部(荷鼻―通称ヘソ)に穴をあける簪。(竹串)

「象鼻杯」を優雅にたのしむには、お酒を注ぐ人と飲む人(客人)の二人で行います。
①客人は葉と茎の付け根を人差し指と中指で挟み、掌を広げて葉を支えるように持ち、茎を口に含む。茎の付け根を無理に曲げると折れてしまうので、茎の中ほどをそっと上に曲げるようにする。葉は必ず目よりも常に下に持つこと。
②蓮の葉の荷鼻に3カ所穴をあける。穴が茎より外れないよう、心もち内側に向けてあける。
③もてなす人は、そっと酒を注ぐ。
④客人はゆっくりと葉を回し、葉の中の酒が露のように光り輝きながら転がるのをたのしんでから、酒を吸う。蓮の茎には一種の樹液があるが、それが酒とまじわると蓮の香気となり、酒の味が変わる。
蓮の葉は決して上に持ち上げないこと。

「象鼻杯」は、蓮の葉でお酒を飲むだけが目的ではなく、葉の露を転がしてたのしみながら、蓮の花を愛で、俳句、短歌、詩などを詠むと一層趣ある行事になります。

お酒を注ぐ道具いくつか

象鼻杯道具1

象鼻杯道具2

象鼻杯道具3

蓮の葉の荷鼻に穴をあける簪

象鼻杯道具4

上野不忍池で

象鼻杯1不忍池2014

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中国の観蓮節と象鼻杯

梅雨が明け、各地の蓮池や蓮田では「観蓮会」や「蓮まつり」が盛んに開かれています。なかでも「象鼻杯」は人気行事ですが、その歴史をご存じでしょうか?
蓮文化研究家の三浦功大(1942―2013)が著した『蓮への招待―文献に見る蓮の文化史』(2004年 西田書店)には「象鼻杯」の歴史に関する文献がいくつも載っています。
中国の文人が始めた象鼻杯。その歴史に思いを馳せながら「象鼻杯」を優雅にたのしみましょう。
以下は『蓮への招待』の「中国の観蓮節」からの一部引用です。

中国では盛夏の一時を親しい友人を招いて、蓮を鑑賞しながら宴をする観蓮節が生まれている。観蓮節の様子を伝える初出の記録は、北魏・正始(504- 508 )の鄭公愨(ていこうかく―生没不詳)の『雞跖集』に見える。
夏月三伏の際に、賓僚を率いて使君林(山東省)において暑を避るに、大いなる蓮葉を取て酒を盛り、簪を以蓮を刺て柄と通はしめて、茎を屈輸困て象の鼻の如くして是を伝へて各其酒を吸はしむ是を碧筩杯と名つく。とあり、夏月の酷暑の時、避暑地で友人たちと蓮の花を見ながら碧筩杯をして涼んでいる様子が出ている。碧筩杯は今日の象鼻杯である。また唐代・九世紀中期の文人・段成式の『酉陽雑俎』巻七「酒食」の「暦城の北に使君林がある」は『雞跖集』からの引用と思われる。(以下略)

9世紀頃、観蓮節は夏の風物詩になっていたようだ。このような、観蓮会で行われていた象鼻杯(碧筩杯)の始まりは、東晋の書家・王逸少―義之(321―379)が41名の文人と会稽山の蘭亭で催した「曲水の宴」ではないかとされている。王其超氏(註・現代中国の花蓮研究家の第一人者)は王義之の『蘭亭の記』の「曲水の宴」を、『蓮之韵』の「荷花親和、故事十則」で、次のように記している。(註・中国語文は省略)

東晋の大書家・王義之は蘭亭で「曲水の宴」を催した。文人たちが渓席に座し、上流から蓮の葉に乗せられた盃がが流れてきたら、酒を飲み干し詩を一首詠む。このような「曲水の宴」で使用された蓮の葉がやがて、直接蓮の葉に酒を注ぎ茎から吸うようになったのではないだろうかと記している。

この「曲水の宴」の故事を江戸時代の画家・狩野山雪(1590―1651)が描いている。
「蘭亭曲水図屏風」(八曲二双 17世紀 京都・随心院蔵)は三二扇の長大な画面全面に渓流が流れ、所々に文人が座し、流れてきた蓮の葉に乗る盃を飲み干し、思案げに詩を吟じている様子や、かいがいしく手伝っている子供たちの姿や、残った酒を飲み干している子供などが生き生きと描かれている。(以下略)

 

 

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