カテゴリー別アーカイブ: 花蓮図鑑

「琴台歌手」開花初日と二日目

今日から8月。関東地方の蓮池では7月半ばから観蓮会が始まり、今月半ばまで約一カ月間つづきます。早いところでは6月半ばから咲き始めます。
日本蓮学会の事務局がおかれているギャラリー<季の風>には、居ながらにして蓮を眺められる蓮見障子があります。
今朝は、大型一重咲きの「真如連」中型一重咲きの「太白蓮」、そして中型、半八重咲き中国種の「琴台歌手」(二日目)が朝日に輝いていました。その他にも蕾が3輪確認できます。

今朝の蓮見障子8月1日
ピンクの琴台歌手は一日目と二日目では様子が大分ちがいます。下は1日目。タイの品種に良く似た雰囲気です。

琴台歌手7月31日

下が2日目。(嵌めごろしのガラス窓の線がちょっと邪魔ですが・・・)。

琴台歌手8月1日
日本人は楚々とした一重が好きな傾向がありますが、中国では華やかな半八重や八重咲きが好まれるそうです。
開花初日と二日目の格差(?)はなかなか面白いものがあります。

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朝日蓮(あさひれん)

紅蓮、一重

朝の太陽ように真っ赤な花色であるが、命名、来歴は不明。灌園の『本草図譜』には、花弁円く紅色なり、中より先濃紅色実の色淡緑花の本帯の如き物あり」とある。明治36年の『水栽四君子』に、載っていないので、江戸時代には絶えたのかも知れない。

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錦蘂蓮(きんずいれん)

紅蓮、八重、中型種。

錦蘂蓮は定信の『池のにしき』には、載っていず、星野文良の『清香画譜』には、図版が載っている。岩崎灌園の『本草図譜』には、「花形形色供に前条(紅碧台蓮 筆者注)と同じく唯実常のごとし。花弁外は大に中細く白色にして弁の先淡色なり」とある。

我が国最初の園芸書である、伊藤伊衛の『花壇地錦抄』(元禄8年、1695年)の、「水草のるい」の項に、「錦蘂蓮 唐れんなり花うす紅にて金色の筋あり」とある。江戸時代初期には、中国から観賞用の花蓮が輸入されていたことが分かる。錦蘂蓮は「妙蓮」の次に品種名がわかる蓮と思われる。江戸時代より今日まで伝わっている貴重な園芸品種である。 図版は、『本草図譜』より。

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茶碗蓮

『本草図譜』には、「花少く弁の数少なく淡紅色花の本に蒂あり」とある。現代では、蓮の花の品種分類を、大型種(花径が26センチ以上)、中型種(花径が25~15ンチの花)、小型種(茶碗蓮 花径が15~10センチの花)、碗蓮(10センチ以下の花)に分類しています。江戸時代の初期の文献に、「小蓮花」、「小りん」とあるのが茶碗蓮や碗蓮と思われます。

茶碗蓮や碗蓮は、日本在来種なのか、中国からの輸入種なのか、文献が見つかっていませんので不明です。しかし、江戸時代初期から栽培されていたことは確かです。近年、小型の鉢で栽培しやすいので人気がでてきています。図は『清香画譜』(天理大学付属天理図書館蔵)より。

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感得蓮(かんとくれん) 一名(水戸感得蓮 みとかんとくれん)

白蓮 一重 大形

『白川候蓮譜』(国会図書館蔵),『水栽四君子』(明治36年)には、「水戸感得蓮」の名前で載っている。

『池のにしき』には、8月5日(写生)、「和蓮皆如此」とあり、『本草図譜』には、花豊に全く白色なり」とある。また、『水栽四君子』には、「極白爪青単弁大輪」とある。

蓮の花の名前にしては、変わっているので「感得」を、広辞苑で引くと、「1.感づくこと。幽玄な道理などを悟りしること。2.信心が神様に通じて、願いがかなうこと」とある。

江戸末頃から明治初期頃に模写されたと思われる、『白川候蓮譜』(絵師不詳)に、なぜ「水戸」の名前が付けられているのか不思議です。水戸と言えば、すぐ水戸光圀(義公1628~1700年)が思い浮かびます。文人としてもかなりの趣味人であったようである。

水戸の庭園や後楽園の池に蓮を植えて楽しんだ記録が残されています。『水戸義公全集』(上、中、下)には、和歌が三首、漢詩が約20首、載っています。明治末頃までは、栽培されていたようですが、現在は、伝わっていません。図は、『清香画譜』(1922年頃)に載っている「感得蓮」。

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湘妃蓮(しょうひれん)

湘妃蓮      白蓮 八重 大型

岩崎灌園筆の『本草図譜』には「自園の物の図、花形芍薬に似て白色に微し青ミあり」とある。灌園は幕府より現在の文京区に土地をかりて、草花を育てているので、そこで咲いたものと思われます。「湘妃蓮」は、『池のにしき』や『清香画譜』に載っていないので、灌園が独自に入手して育てたものと想像しています。図版は他には、『花蓮図譜』(武田薬品杏雨書屋蔵)にも載っています。

中国には、「湘妃」に関する次の伝説があります。「湘妃 尭の娘で、舜の妃となった娥皇と女英が、舜の死を嘆き悲しんで、湘水に身を投げて、女神となったという」。中国からの輸入品種か。それとも在来品種に灌園が伝説の名前をつけたものかは不明です。現在は伝わっていない。図は『本草図譜』に載る「湘妃蓮」。

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藤壺蓮(ふじつぼれん)

藤壺蓮(ふじつぼれん) 一重 紅蓮 大型。(鷹司家藤壷蓮、藤壷蓮鷹司新出)の別名あり。

『池のにしきに』には、8月3日写す。「鷹司家新花」とあり、花の説明は「満開する処、先日の花に比すれハ大所にして房もたかふ故に、ここに略写。 尤二重花色、先日にかかへつかハらす。只し旧様・新様ニて花たかふものあり、初にしるす、大蓮新様の分ハ房尋常ニて花弁聊たかふことあるかことし」の、詳しい書き込みがある。

藤壷蓮は、公家である「鷹司家」で、交配か交雑でできた種(実)の、実生から作出した紅の大型の新品種です。鷹司准后家御園池蓮品目には、図はありませんが、紅蓮が13品種、白蓮が15品種、絞(爪)蓮が10品種、載っています。図は定信自筆の『池のにしき』に載る藤壺蓮です。

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大和錦(やまとにしき)

紅、一重、碗蓮・茶碗蓮。定信の『池のにしき』には、7月2日、「大如図、如此小蓮満開せずして落下す、ゆえに中開くを真写す」とあり、『本草図譜』には、「白川公の蓮譜の図茶碗蓮の類にして花小く淡紅色実も小にして房中に4、5類を結へり」とある。大和錦は残念であるが今日伝わっていません。

碗蓮について、伊藤伊兵衛(1669~1757?)は、日本最初の園芸書である、『花壇地錦抄』(元禄8年 1695年)で、「小蓮花 小りん 葉ハ水あふいのごとくあいらしき花葉なり」と記していて、江戸時代の初期に碗蓮がすでに育成されていたことが確認されている。しかし、日本古来のものか、渡来のものか、詳細は全く不明である。蓮愛好家の間では、碗蓮、茶碗蓮の人気が高く、中国での品種開発は盛んで、約200品種ほど作出されています。中国の大都市には、花蓮公園があり碗蓮コーナーがあります。なお、今日の品種分類では、碗蓮と茶碗蓮(小型種)を区別しています。碗蓮は花の直径が10センチ以下、花茎の高さ30センチ以下です。花径が10~15センチ位のものを茶碗蓮(小型種)と呼んでいます。

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緑紅白蓮(りょくこうびゃくれん) 白蓮 一重

『池のにしき』には、「花巾紅糸なし 紅糸白替」と記されていて、『本雑図譜』には、「花弁長く白色にして中は小黄色を帯へり」とある。

漢和辞典には、「緑紅」の出典を、杜牧・詩「千里鶯啼緑白映」で、「青い葉とくれないの花」と出ている。しかし、現物は「白蓮」なので、どのような理由で「緑紅白蓮」にしたのかは不明である。現在は絶えて伝わっていない。図は星野文良筆『清香画譜』に載る「緑紅白蓮。

緑紅白蓮

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「賜白蓮」(しはくれん)と「賜紅蓮」(しべにれん)

「賜紅蓮」白種 一重 大型。「賜紅蓮」(別名 紅天竺蓮)紅蓮 一重

「賜白蓮」について、定信の『池のにしき』には、写生した7月4日、大如図とある。灌園の『本草図譜』には、「白色にして青ミあり」とある。「賜紅蓮」についの写生は7月5日とある。『本草図譜』には、「花豊かにして弁の数少なく淡紅色先は濃く本に微し青ミあり花の本に帯をなすなり」とある。

定信は著書『退閑雑記』の「わが浴恩園の事をしるす」で、蓮の花について、「大君より賜りしはちすを此の池へ移しうえぬ」記している。大君よりとは、第11代将軍家斉で、家斉より江戸城で咲いていた蓮を賜っている。

星野文良が描いた「浴恩園真景図巻」(天理大学付属図書館蔵)には、浴恩園のほぼ中央に賜山があり、その麓の「たまもの池」(賜池)には、白の蓮が咲いている図がある。来歴は不明。「賜白蓮」、「賜紅蓮」とも現在は絶えて伝わっていない。図版は星野文良筆「清香画譜」より、右が「賜白蓮」、左が「賜紅蓮」。

賜蓮紅白

 

 

 

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