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- I love lotus.について
I love lotusは、蓮の花に興味をいだいた先人達が、随筆、和歌、俳句、絵画、工芸などに残しています。
これらを発掘して、花蓮に関係するものを、ご紹介していくコーナーです。
蓮学文献解題について
本欄は古事記から現代までに発行された、日本蓮学に重要な著書、論文(雑誌・単行本所収)、報告書に蓮学に影響を与えた隣接諸科学の文献を加えて掲載し、管見ではあるが、それについて解題するものである。
記載は、著書・報告書については、書名(叢書名・巻数・副題)著(編)名・版型・頁数・発行年・発行所名・内容解説、論文については、論文名(副題)・筆者名・誌(書)名・巻号数・所載頁数.発行年月日(単行本所収は論文は発行所名も記す)・内容解説を記す。
花蓮について
「蓮(はす)」の誕生は、非常に古く地球上には白亜紀後期の約1億年前に出現していたことは、出土した化石から判明しています。恐竜と共存していたと思われます。
日本では7000万年前の化石が福井県で発見されていますし、北海道から九州まで各地で蓮の化石が発見されています。
これまで世界各地で蓮の化石が発見されていますが、そのほとんどは北半球からです。蓮は何度かの過酷な氷河期をくぐり抜けて、今日まで生き延びている貴重な植物なのです。 -
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カテゴリー別アーカイブ: 蓮の豆知識
蓮の家紋 1
蓮は家紋というよりは寺院紋として使われていたようです。仏教が日本に伝わって以来、お釈迦様の花として扱われてきたせいでしょう。ここに載せた紋は、1972年に米国で出版された『JAPANESE DESIGN MOTIFS』の中の蓮です。全部で4260の家紋が掲載されていますが、蓮は14しかありません。イロハ順ですが「は行」と「れ行」にわかれています。ハス、レンゲ、レンコンなどに分類されたようです。上から「なかわにはすのはな」「はすはな(れんげ)」「わりはすはな(わりれんげ)」「ひとつはすはな(ひとつれんげ)」。二、三、四の茎には、ちゃんと棘が描かれています。
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蓮の糸(蓮絲 はすいと・藕絲 ぐうし)
蓮の茎から糸が取れるのをご存知しようか。かなり根気のいることですが、取れます。花茎、葉茎を折って引き延ばすと、茎の穴から糸状の繊維が出てきます。これは茎の維管束の導管についている繊維です。それを丹念に取って、紡いだものが蓮絲(藕絲)です。町田市の大賀藕絲館で採取していますが、40キロクラムの茎から、わずか2グラムくらいしか取れないようです。大賀藕絲館では、縦糸に絹糸を使い、横糸に蓮絲を使用して蓮絲織りを織っています。
ミヤンマーのインレイ湖では、蓮絲の採取が盛んで、ここでは縦糸も横糸も蓮絲を使用した製品が作られています。また、ここから蓮絲を仕入れ、日本独特の紡ぎ方で糸を紡ぎ、縦糸も横糸も蓮絲の着物と帯を作った方がいます。絹糸や紙子の製品より軽く丈夫とのことです。図は茎を折って伸ばしたところ。
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実生から花蓮をそだてるには
花蓮を咲かせるのには、次の2つの方法があります。一つは種蓮根から咲かせる方法、もう一つは蓮の実から咲かせる方法があります。ここでは実生(蓮の実から育てる方法)から育てる方法を記します。花蓮を育てている方はもうほとんど植え替えが終わったと思いますが、これから実生から育てても条件がうまくいけば夏の終わりころには花が咲きます。
実生からの方法を簡単に記します。蓮の実は外側の皮が非常に硬いのでそのまま植えても芽は出てきません。まず蓮の実の横をニッパーかヤスリで実の中の白い小葉が見えるまで削ります。(実は小さくて硬いのでニッパーを使うときは注意してください)。削りおわったら、小さな透明な瓶に水を入れてその中に実を入れて、日当たりのよい場所に置いて下さい。水は毎日替えましょう。瓶にいれて、4~5日経過すると実から小さい葉が出てきます。実からは最終的には4枚の葉が出てきますが、2枚か3枚出てきたら、鉢に植えましょう。鉢には、荒木田と黒土を混ぜたものに肥料を入れて準備しましょう。葉が出てきた実を鉢に植えるのですが実が隠れる位に植えてください。鉢の水は実から出てきた葉が水に隠れないように調節しましょう。鉢の置く場所は、日当たりのよい場所に置いてください。蓮の育成は、日当たりのよい場所が一番です。水は時々取り替えましょう。
長くなりますので今回はここまで、5月中頃、続きを掲載します。
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蓮の香り
蓮の花が開花すると、馥郁とした香りを発するのをご存知だろうか? 香りは主に雄しべから出ていますが花托、花弁、葉からも出ています。開花2日目の早朝が最も香りを強く発します。夏の早朝開花した蓮の花にそっと鼻を近づけるとさわやかな、フェノール系の清々しい香りを感じとれます。
蓮の花の香気成分も科学的に研究され報告書も出ています。
蓮の香水とされるものが販売されていますが、100パーセント PureとかEssential oilの名前でインド産やイギリス産の香水が販売されていますが、Essential oilではなく、溶媒で抽出したアブソリュートと呼ばれるタイプです。
敦煌壁画61窟には、天空から蓮の香りを地上に降り注いでいる「香積菩薩」が描かれています。(図)
4月4日から、日本蓮学会の塩澤事務局長のギャラリー「季の風」では、町田市の「大賀藕絲館」と大賀蓮の香りを分析して開発した商品「あぶらとり紙」の発売を記念して、香りに関する蓮グッズ展が開催されています。
4月10 日(水)まで。
ギャラリー季(とき)の風
町田市玉川学園2-2-6 小田急線 玉川学園駅より徒歩5分
電話 042-727-8724
http://homepage3.nifty.com/tokinokaze
期間 4月4日(木)~4月10日
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蓮の各部 7、「葉」
蓮の特徴は、凛として水中から立ちあがる、花の美しさも一つであるが、緑の大きな葉が微風に優雅にゆれる光景もその特徴である。蓮の葉は、春になり水が温みだすと活動を始める。まず、前年に肥大した地下茎の先端(ラーナー、白蒻)が成長し始め節(ふし)を作り、また、ライナーが成長して節を作ることを繰り返します。葉の芽は節より一本の芽が出てきます。初めから3~4枚出てくる葉は、浮葉といって水面より立ち上がることはありません。そのあとに出てくる葉は水件から立ちあがる立葉が出てきます。葉芽は左右から丸まって立ちあがってきますので、巻葉(まきば)と呼んでいます。巻葉も開閉を繰り返して大きくなり立場になります。
蓮の葉の中心には、蓮の臍と呼んでいる、中盤、荷鼻があります。葉には葉脈と呼ばれる筋が臍を中心に大型種の葉では、21~24本程あります。これと葉茎がつながっていて地上と地下茎でガス交換が行われています。蓮の葉の表面は、細かい毛茸(こうじょう)で覆われているので水をはじく撥水制がり、競泳の水着や外壁のペイントにお応用されています。
僧正遍昭(816~890)の和歌に、
蓮葉(はちすば)の にごりにしまぬ心もて なにかは露を玉とあざむく
山口素堂(1642~1716)の句に
浮葉 巻葉 立葉 折葉 と はちすらし
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蓮の花の各部 6 、「葉茎」、「花茎」
蓮の「葉茎」・「花茎」は、地下茎(レンコンと呼ばれているのは、蓮に根ではなく蓮の地下茎です)の節から生え、茎の途中には節(ふし)がなくまっすぐに成長します。地下茎は伸長しながら節を作り、その節から最初に出てくるのは「葉茎」で、この葉は浮葉となり水面上に浮きます。これを何度か繰り返すと、今度は水面から抽出する「巻葉」が出てきて、やがて丸い大きな立葉になります。これも何度か繰り返すと、続いて節から「花茎」が出てきます。茎の中は通気孔が通っていて、地上と地下茎でガス交換が行われます。また、通気孔の周りには、水分や栄養分を送る維管束(いかんそく)が通じていて、茎を折ると、維管束から非常に細い白い糸のような繊維が出てきます。これを撚って糸にしたものが藕絲です。これを織ったものが藕絲織です。藕絲は40キロの茎からわずか2~3グラムほどしか取れません。根気のいる仕事です。藕絲織が盛んなのは、ミヤンマー国のインレイ湖で、世界から注目されています。ここの藕絲で着物をあつらえた日本人がいます。藕絲織の反物は、絹や紙子(和紙で織っ反物)のたんものより軽いです。蓮の花を愛した原三渓の横浜の三渓園には、茶室の天井や飾り戸を蓮の茎で用いています。また、蓮の茎の繊維で漉いた紙を「蓮紙」を町田市の「大賀藕絲館」で作っています。茎には沢山の刺があります。図は茎を折って蓮絲が出てきたところ(左)と茎の刺(右)。
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蓮の花の各部 5 、「花托から果托へ、そして蓮の実へ」
蓮の花は開花から4日目に花弁が散り、花托になりますが、黄色系統のものは、雄しべが残るものがあります。散ったあとの花托は緑で、直径が5センチほどですが、受粉した雌しべは緑色からしだいに熟して茶褐色に変わり、20日ほどで受粉した雌しべは茶褐色の「蓮の実」になります。「花托」は「果托」に書き改めています。「果托」の直径も10センチから15センチのどに大きくなります。花弁が散って2週間ほど過ぎると果托の中の蓮の実は、緑色に熟成します。緑色の皮を剥いて食するととても美味です。食材として使用される蓮の実はほとんどこの時期に採取したものです。また、蓮の実を粉にしたものが大量に販売されています。蓮の実の中には、すでに「幼芽」(蓮子心)が出来ています。蓮子心は乾燥させて生薬やお茶として利用されています。
蓮の実を実生から発芽させる方法は改めて投稿します。図は「果托」(左)と「実の断面」(実の中にはすでに幼芽)が宿っている。
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