カテゴリー別アーカイブ: 蓮の植物学

メシベとハスの実の話

ハスの花の中心には、海綿質で出来ている円錐形の花托(かたく)がある。
花托にはメシベである心皮が入っていて、黄色い柱頭だけが外にでていて、昆虫がオシベの花粉を運び、受粉する。

受粉前1↑ 通常の花托。
オシベの香りに誘われてミツバチがきているが、受粉前なので、柱頭は黄色い。
オシベも整然と並んでいる。

 

受粉後2


受粉後。柱頭が黒ずみ、オシベも乱れている。香りもあまりしなくなる。
左は花弁が散って間もない花托。

 

ハスの実1


花弁が散ってから約3週間の間に果托は成長し、実は食べごろになるが、もっと早く食べても、甘くて美味しい。カンボジアの子どもたちは、まだ花弁がついているままの花托の実をとりだして食べていたので、私も真似をしてみたら、とても甘かった。
近代茶人・原三渓も、1週間目くらいのハスの実は美味であると言っている。

 

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スポンジ状の果托には、成熟したハスの実が育っている。この実は、外皮と薄皮を剥いて生のまま食べることが出来、晩夏から初秋だけに味わえる。

果托とハスの実


秋になると外皮も実も固くなり、剥いてたべるのは困難になる。

 

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晩秋の果托。茎も枯れて折れ曲がり、ハスの実を田圃に落とす。
ハスの実は非常に固いので、自然に発芽することは滅多に無いが、稀に発芽すること
もある。埼玉県行田市の行田蓮(古代蓮)は自然発芽である。

 

 

 

 

 

 

 

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蓮の葉の撥水性(はっすいせい)と毛茸(もうじょう)

関東も今年は早々と梅雨に入りました。梅雨は気分がすぐれませんが、一度小雨の蓮田を覗いてみてください。蓮の葉に溜まる水玉の動きが、非常に軽やかで見ているだけで楽しいです。蓮の葉の表面は10マイクロメートルほどの長さで、頭が半球の突起で覆われています。この表面の突起のため、葉の表面には直接水が浸透せず、表面張力により撥水性とよばれ、水が集まり蓮の露と呼ばれる水滴になります。この水滴が微風によって葉の表面を転がる風情を、日本人は愛でてきました。

近年、この撥水性を応用して、ナノテク、薄膜技術、繊維などの分野での研究がさかんです。オリンピックの競泳の水着に応用されたのは記憶に新しいです。DSCN8717

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